炭水化物は主要なエネルギー源として、人間の活動に欠かせない栄養素です。食事の中心となるこの炭水化物を摂るために、世界各地の気候や風土に合った穀類やイモ類、豆類が栽培され、主食として食べられています。
なかでも「米」「小麦」「トウモロコシ」は、世界三大主食と言われ、文明の誕生から人々の活動の広がりとともに栽培が進み、今では多くの地域で多様な主食が食べられ、豊かな食文化を作ってきました。
野生の稲から栽培をスタートした稲作は、東南アジアを中心に、インディカ米とジャポニカ米の2種類がそれぞれの地域に適した種として発展していき、やがてヨーロッパやアメリカ、アフリカへも広がり、今では世界中でお米が食べられています。
パンやパスタが主食のヨーロッパでも、パエリアやリゾットなどのお米料理があり、アメリカ南部のジャンバラヤ、トルコのピラフなど、日本でも人気のお米料理がたくさんあります。
- 全国のご当地ご飯から一例をご紹介
日本では、奈良時代から貴族の間でお米が食べられてきました。江戸時代には、庶民もお米が食べられるようになったとされていますが、安定した収穫を得ることは難しかったようです。
日本全国でお米が栽培されるようになると、主食としてみんながお米を食べることで食文化が発展してきたともいえます。全国各地で文化や気候、歳時記を反映したご当地ご飯が食べ続けられ、心と身体を育んできました。
今から150年ほど前の開拓時代に、日本各地から移住してきた人々が、北海道の食文化の基礎をを築き、家庭の味として受け継がれてきました。郷里の味を懐かしく思って北海道流にアレンジした鶏飯や飯寿司など、海や畑の特産物を活用したもの、また、フロンティア精神あふれる北海道では、新顔メニューへの挑戦も積極的です。
今ではすっかり北海道を代表するご当地メニューとなったスープカレーや、豚丼もお米の美味しい北海道ならではのご当地ご飯になりました。
古来から赤い色が「邪気を払う」ということから、お祝いの席などで食べられてきた赤飯。一般的な作り方は、小豆やささげを下茹でし、茹で汁を冷ましてから米を浸して豆と一緒に炊飯することで色付けします。
北海道では、浸水した米に食紅でほんのり色付けして炊飯し、下茹での必要がない甘納豆を加えて蒸らした赤飯が食べられています。これを考案したのは、光塩学園創設者の南部明子さんで「忙しいお母さんが手軽に作ることができるように」と、「時短レシピ」の始まりとも言えるような工夫が詰まっています。
この甘いお赤飯、コンビニのおにぎりコーナーにも並ぶ、道民人気の味の一つです。
- 掲載内容、テキスト、画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。